本当に読みやすいSRT字幕の作り方
SRTファイルは、番号付きの字幕を開始時刻・終了時刻とともに並べたプレーンテキストのリストです。かつてSRTを作るには、すべての行を入力し、手作業でタイミングを合わせる必要がありました。今ではタイミング付きの文字起こしを自動で生成できるので、本当に大切な作業、つまり字幕を正確で読みやすくすることに労力を使えます。
このガイドでは、SRTの仕組み、音声や動画からファイルを作る方法、読みやすい字幕の条件、そして一般的な動画ツールへの取り込み方を説明します。
SRTファイルの中身
SRTはSubRip Subtitleの略で、最もシンプルかつ幅広く対応している字幕形式の一つです。キューと呼ばれる各字幕は、次の4つの要素で構成されます。
- 1から始まる通し番号。
hours:minutes:seconds,milliseconds --> hours:minutes:seconds,milliseconds(時:分:秒,ミリ秒)の形式で書かれた時間範囲。ミリ秒の前がカンマである点に注意してください。- 1行以上の字幕テキスト。
- キューの終わりを示す空行。
1
00:00:01,200 --> 00:00:04,000
チャンネルへようこそ。
2
00:00:04,300 --> 00:00:07,800
今日は自宅でクリアな音声を
録音する3つの方法を紹介します。
SRTはプレーンテキストなので、どのテキストエディタでも開いて修正できます。アクセント付きの文字やラテン文字以外の文字が正しく表示されるよう、UTF-8エンコーディングで保存してください。「壊れた」SRTファイルの問題の多くは、エンコーディングの誤り、空行の欠落、またはタイムスタンプでカンマの代わりにピリオドが使われていることが原因です。
音声や動画からSRTファイルを作る方法
- 最終編集版を使う。字幕は視聴者が聞く内容と一致していなければなりません。動画の確定版、または同じタイムラインから書き出した最終ミックスの音声を文字起こしすれば、編集後にキューのタイミングを合わせ直す必要がありません。
- ファイルをアップロードする。Media2Textに動画または音声をアップロードします。MP4、MOV、WEBMなどの対応動画形式では、音声トラックがブラウザ内で抽出され、元の動画はアップロードされません。MP3、WAV、M4Aなどの音声ファイルはそのまま使えます。形式の詳細は動画からSRTと音声からSRTをご覧ください。
- まず言葉を修正する。名前、ブランド名、数字は、検索と置換やクリックできるタイムスタンプを使える文字起こし画面で手早く直しましょう。書き出し前に言葉を直すほうが、後からキューごとに修正するよりずっと簡単です。
- SRTを書き出す。書き出しメニューでSRTを選びます。文字起こしエンジンが信頼できる単語単位のタイミングを返した場合は単語レベルのタイムスタンプが使われ、そうでない場合はセグメント単位のタイミングでキューが作られます。字幕に話者名を入れるかどうかを決めてください。ほとんどの動画では不要です。
- 再生して確認する。ファイルを編集ソフトやプレーヤーに取り込み、冒頭、最も会話が密な部分、終盤を通常の速度で見て確認します。
読みやすい字幕の条件
正確な言葉は、良い字幕の半分にすぎません。視聴者には、映像を見ながら各キューを読み切れるだけの時間が必要です。放送局や配信サービスは詳細なスタイルガイドを公開していますが、以下の原則はその多くに共通しています。
行は短くする
1つのキューは1〜2行にしましょう。ラテン文字の言語では、1行あたりおよそ32〜42文字を目安とするガイドラインが多くあります。行が長いと視線が画面を横切ることになり、スマートフォンでは特に読みにくくなります。
各キューに十分な表示時間を与える
短すぎるキューは読む前に消えてしまい、長すぎるキューは話し手が次に進んだ後も残ってしまいます。1つのキューの表示時間は、約1秒から6〜7秒程度が一般的な範囲です。早口の話し手からは情報量の多いキューができるので、1文を無理に画面に詰め込まず、自然な間で分割しましょう。
自然な位置で改行する
改行はフレーズの途中ではなく、フレーズとフレーズの間に入れます。「今日は自宅でクリアな音声を / 録音する3つの方法を紹介します」のほうが、「今日は自宅でクリアな音 / 声を録音する3つの方法を紹介します」よりも読みやすくなります。英語であれば、可能な限り冠詞や前置詞で行を終えないようにしましょう。
台本ではなく実際の発話に合わせる
話し手が台本から外れた場合、字幕は実際に話された内容に従うべきです。音声を聞ける視聴者は、ずれにすぐ気づきます。
アクセシビリティを考慮する
聴覚に障がいのある視聴者向けの字幕には、[音楽]、[笑い声]、[ドアが閉まる音]などの重要な音の情報や、画面外の話し手の表示が含まれることがよくあります。音声認識が捉えるのは話し言葉だけなので、必要な箇所にはこうした説明を手作業で加えてください。W3Cの字幕に関するガイダンスが参考になります。
SRTとVTT、どちらを選ぶべき?
| SRT | WebVTT(VTT) | |
|---|---|---|
| 構造 | 番号付きのキュー。ミリ秒の前はカンマ。 | WEBVTTヘッダーで始まり、ミリ秒の前はピリオド。キュー番号は任意。 |
| スタイル | 最小限。一部のプレーヤーは基本的なタグを読み取ります。 | Web標準により、位置指定、リージョン、スタイル設定に対応。 |
| 適した用途 | 動画編集ソフト、アップロードフォーム、最も幅広い互換性。 | HTML5動画プレーヤーや、VTTを求めるWebプラットフォーム。 |
迷ったら、まずSRTを書き出しましょう。ほぼどこでも受け付けられます。Media2Textは同じ文字起こしから両方を書き出せるので、どちらか一方に決めてしまう必要はありません。手元のファイルを変換したい場合は、無料のSRT→VTT変換ツールを使えます。VTT形式の詳細はW3CのWebVTT仕様にまとめられています。
動画ツールに字幕を取り込む
メニューの構成はバージョンによって変わるため、お使いのツールの最新ドキュメントを確認してください。一般的には次のとおりです。
- YouTubeでは、YouTube Studioの字幕セクションからSRTやVTTを含む字幕ファイルをアップロードできます。アップロードしたファイルを公開すると、その言語の自動字幕が置き換えられます。
- Adobe Premiere ProやDaVinci Resolveなどのデスクトップ編集ソフトでは、SRTファイルをキャプションまたは字幕トラックに取り込み、スタイルを調整したり、必要に応じて字幕を映像に焼き込んだりできます。
- HTMLのvideo要素で作られたWebプレーヤーは、track要素を通じてVTTファイルを読み込みます。
- SNSはプラットフォームによって異なります。字幕ファイルを受け付けるところもあれば、独自に字幕を生成したり、焼き込み字幕を前提としたりするところもあります。
別ファイルか、焼き込みか?SRTやVTTを別ファイルにすると、視聴者が字幕のオン・オフを切り替えられ、プラットフォームもテキストをインデックスできます。焼き込み字幕は映像の一部になり、音を出さずに見られることの多い短いSNS動画でよく使われます。Media2Textが作成するのは字幕ファイルです。映像への焼き込みは、その後に編集ソフトで行います。
話者名、音楽などの特殊なケース
字幕に話し手を表示すべき?
話し手が画面に映っている場合は、通常は不要です。誰が話しているかは視聴者に見えています。話し手が画面外にいるとき、複数の人が立て続けに話すとき、静止画と音声だけのポッドキャストのときは、話し手を示しましょう。「司会:」のような短いラベルや、新しい話し手の行頭のダッシュで十分です。話者ラベル付きの文字起こしから書き出す場合は、ラベルを含めるかどうかを書き出し前に決めてください。後からキューごとに削除するのは手間がかかります。
歌やBGM
音楽の音量が大きいと、音声認識が歌詞を書き起こしたり、断片的な言葉を出力したりすることがあります。字幕では、歌詞がストーリーに重要でない限り、不完全な歌詞の代わりに[音楽]や短い説明を書くのが一般的です。歌詞には著作権があることが多い点も覚えておきましょう。
画面上のテキスト
既存のタイトルやテロップに重なった字幕は読みにくくなります。多くの編集ソフトでは字幕トラックを移動でき、Web上ではVTTが位置指定に対応しています。音声認識は画面上のテキストを読み取らないため、視聴者に必要な重要なタイトルは、別途翻訳または書き起こしてください。
非常に速い話し方
話し手が視聴者の読む速度より速く話す場合、選択肢は二つです。すべての言葉を残して短い表示時間を受け入れるか、意味を保ったまま少し要約するかです。アクセシビリティのガイドラインでは、可能な限り話し手の言葉を残すことが一般的に推奨されますが、マーケティング用のクリップでは要約することもよくあります。動画ごとにどちらか一方の方針を選び、一貫して適用しましょう。
他の言語の字幕
別の言語の視聴者に届けるには、まず元の言語で文字起こしし、その後で翻訳した文字起こしトラックを作成します。翻訳では元のタイムスタンプが保持されるため、同じタイミングに合った新しい言語の字幕を書き出せます。翻訳は音声の吹き替えを行うものではありません。また、翻訳後の行は原文より長くなることがあるので、情報量の多い部分では読む速度と改行位置を改めて確認してください。
SRTのよくあるトラブルと対処法
すべての字幕が同じだけ早い・遅い
たいていファイル自体には問題がなく、動画の開始位置が異なるだけです。たとえば、文字起こしした音声に含まれていなかったスレートやイントロの後から動画が始まっている場合です。タイムスタンプを一つずつ編集するのではなく、編集ソフトで字幕トラック全体をずらしましょう。
時間が経つにつれて字幕のずれが大きくなる
字幕が別の編集版や、フレームレートの異なるファイルから作られた可能性があります。公開する最終版そのものを文字起こししてください。
アクセント記号などの代わりに文字化けが表示される
ファイルをUTF-8で保存し直してください。古いツールでは、地域固有のエンコーディングが既定になっていることがあります。
プラットフォームがファイルを受け付けない
SRTのタイムスタンプでカンマの代わりにピリオドが使われていないか、キューの間の空行が欠けていないか、ファイルが空になっていないかを確認しましょう。SRTをプレーンテキストエディタで開けば、たいていすぐに問題が分かります。
名前がすべての箇所で間違っている
キューを一つずつ手で直すのではなく、文字起こしで検索と置換を使って一度に修正し、もう一度書き出しましょう。
SRT字幕のチェックリスト
- 最終編集版または最終ミックスの音声を文字起こしします。
- 書き出し前に、文字起こしで名前、用語、数字を修正します。
- 編集ソフトやアップロード用にはSRT、Webプレーヤー用にはVTTを書き出します。
- キューは1〜2行の短い行にとどめ、十分な読み取り時間を確保します。
- 視聴者に必要であれば、音の説明を手作業で加えます。
- 取り込んだら、冒頭、最も情報量の多い部分、終盤を見て確認します。
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